つづき謡曲会での扇と謡本の扱い
2018/2/3
(今般、横浜能楽堂などでの発表会を念頭に当会の舞台作法を下記のように統一しました。見所からも統一感のある舞台作法は気持ちの良いものです。)
◆舞台への入場時
① 左手に謡曲本(表紙は内側)を持ち、腰に扇を差して左足から舞台に入る。自分の着座位置に向かって両足をそろえ、最短距離で背筋を伸ばし姿勢よく進む。(お役の方は見台が舞台に用意されているので左手に謡曲本、座椅子のある方は右手に持つ。地謡の方は見台の上に謡曲本を置き、座椅子を利用される方は見台の下に両手で支えて持つ)
② 着座。謡曲本を正面(見台の上)に置き、扇は右手で抜いて体の 右傍に置く。
③両手で本を開く。その姿勢で全員が着席するのを待つ。
④ 全員が着座したところで、地頭に合わせ一同、右手で 扇の真ん中を持ち、床を滑らすように正面に移す。 左手は前に降ろして扇を待ち位置を決めて止める。両手を膝に置く。
⑤地頭の¢どうぞ£あるいは¢せきばらい£を合図に謡い始める。
◆謡いだし
⑥謡出しの方は、一旦、両手を膝に置いた後、両手で扇を膝に 移す。左手で扇の左端を親指以外の4本の指で下から受け、親指 を上からかぶせて、保持する(待ちの姿勢)。
⑦間を置かず、扇を謡う位置に据える(謡いの姿勢)。左手は膝上に 置き、指を揃え伸ばして謡う。 (注) その他の方は、ご自身の謡いの 2 句分(“¡”が 2 つ分)ほど 前から、扇を待ちの姿勢に据え、謡はじめ直前で謡の姿勢に。 但し、地謡の方は地頭 あるいは列の中央の方の動きに合わせる。
◆謡いの途中でのページをめくり
⑧扇を待ちの姿勢に戻す。 ⑪ 左手で扇を保持したまま、右手でページの左下隅を摘まみながらめくる。事前に本の該当部分のページを折っておくとよい。
◆舞台からの退席時
⑨謡が終わった時、扇は一度膝の上に(待ちの姿勢)戻して姿勢を正した上で、両手で扇を正面床に降ろす。右手で扇の真ん中を持ち、床を滑らすように体の脇に移し、扇を腰に戻す。 ⑩謡本を閉じ、左手で謡曲本を持ち(見台を持ち帰る地謡の方は舞台への入場と同様、本を上に置く)、右斜めを向いて左膝を立て、足首の痺れが大丈夫なことを 確認する(その際、自分の前後に立ち上がれない人がいないか確認する。
⑪退場に際しては入場時と逆順に、前の人が歩き出すと同時に立ち上がる。
⑫ 退場時も同様、背筋等姿勢に注意し切戸口に最短距離で進む。舞台退出の際は右足から。
◆その他の注意事項
舞台上にいる間は演技が続いていると考え、気を抜かぬように心掛ける。自分が謡っていないときは半眼で前方二間 程先下を見て体を動かさない。
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